IT系の仕事をしている人であれば一度は受験を考えるであろう「応用情報技術者試験」。
私もIT企業に勤めている身として、応用情報技術者試験は受験・資格取得しました。
今回は人気資格である応用情報技術者試験の勉強方法やおすすめの選択問題についてお話しします。
応用情報技術者試験とは?
IPA(情報処理推進機構)が主催する国家試験の一つで、略称はAPです。
情報技術者試験はレベル別、種類別にいくつか存在します、応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の次のステップとして位置します。
「応用」と名前がついていますが、内容としては「情報学の基礎がしっかりと身についている」ことが証明できるというイメージです。
実践の一歩手前のレベル感という印象ではあるため、応用情報技術者試験の内容は直接的には役に立たないと言う人も多いと思います。
ただし規模の大きな企業では、応用情報は一通り知っている前提で会話ができることが望ましいとされ、資格の保有を重視されることが多いです。
難易度や勉強時間
色々な資格試験がある中で、応用情報技術者試験の難易度は普通~やや難しめといえるでしょう。
勉強時間は、基本情報技術者試験を取得済みの人であれば200時間、情報学が初めての人であれば350時間程度です。
基本情報技術者試験と比べた難易度としては、しっかり難易度はあがっていますので、基本情報を思ったより簡単に取得できた人は油断しないようにしてください。
基本情報取得済みで油断して落ちた人を数多く見てきました。。
なお、近年の合格率は20~25%です。
試験形式について
年に2回、4月の第3日曜日と10月の第2日曜日に試験場にて開催されます。
9:30から15:30までの長時間の試験です。
基本情報は近年出題内容が大きく変わりましたが、応用情報は2024年時点で大きくは変わっていません。
午前
基本情報記述者試験の午前問題を難しくしたような問題が出題されます。
マーク形式で80問を2時間30分で解きます。
合格ラインは6割です。
午後
筆記形式で、大問5つを2時間30分で解きます。
大問1つは必須問題(セキュリティ分野)が決められており、残り4個は大問10個から選択します。
合格ラインはこちらも6割です。
勉強方法について
基本的な勉強方法は基本情報技術者試験と変わらず、午前は過去問道場、午後はポイント的に学習です。
基本情報の内容を一通り学ぶ
※この過程は、基本情報技術者試験を取得済みの人は省略します。
基本情報技術者試験を取得していない人は、基本情報技術者試験の午前の内容を一通り勉強しましょう。
午後の内容は省略して問題ないですが、午前の内容の難易度があがったものが応用情報技術者試験の午前問題となるため、必ず一通り見ておきましょう。
基本情報技術者試験は以下の記事で扱っているため、午前部分だけでも参考にしてみてください。
午後の対策用にテキストを用意
情報学を勉強済みの人であればテキスト不要ですが、そうでない人はテキストを1冊用意しましょう。
主な目的は午後の対策ですが、全体をざっと一周通して読むことで、午前の対策も効率的に行うことができます。
私のおすすめは以下の本です。
基本情報レベルは知っている前提として、試験に必要な情報が十分に記載されているため、お勧めです。
Amazonでの商品情報は右のリンクから(Amazonのサイトへ飛びます)→徹底攻略 応用情報技術者教科書 令和6年度
午前対策では過去問を高正答率で解けるように
テキストを流し読みした後は、ひたすら過去問を解きましょう。
午前問題は過去問の出題率が高いため、お馴染みの無料過去問サイト「過去問道場」で9割の正答率を目指して勉強しましょう。
午後の選択問題で解く問題を決める
午後は、セキュリティ問題を除いた以下10個の分野から4個を選択して解くことになります。
それぞれの特徴をざっくりと書いてみました。
ここから5題に絞って、テキストを用いて対策しましょう。
ただし、セキュリティ分野の対策もお忘れなきように。
- 経営戦略:マーケティング系の文章題
- プログラミング:2分探索やソート、一筆書きなどのアルゴリズム
- システムアーキテクチャ:計算問題あるいはロジカルに考える問題
- ネットワーク:ネットワーク構成をベースとした知識を問われる問題
- データベース:SQLやER図などを埋める問題
- 組込みシステム開発:状態遷移などのロジック問題
- 情報システム開発:情報システム全般の知識、あるいは開発手法に関する知識問題
- プロジェクトマネジメント:プロジェクトマネジメントに関する文章題
- サービスマネジメント:ITIL(IT提供者に要求すべきサービス機能)に関する文章題
- システム監査:システム監査に関する幅広い内容を対象とする文章題
特に「組込みシステム」は、基本パターンが少なく対策しやすいため、どんな人にもおすすめの問題と言えるでしょう。
ただし、年度によって難易度に差はあるため、必ず選択しようと考えるのは危険です。
他の候補問題も眺めて、解けそうな問題から解いていきましょう。
過去問では、答えを覚えるのではなく、なぜその答えとなるかをしっかりと理解しましょう。
過去問はそのまま出ることはないため、それぞれ2、3年分も解けば十分です。
数を重ねるのではなく、理解を深めることを意識します。
文系におすすめの問題
国語が苦手でない人は、文章題がベースである以下の問題がおすすめです。
補欠枠は、短時間で勉強ができるもの順に、システムアーキテクチャ、データベースとなります。
特にシステムアーキテクチャはこれといった勉強はなくても解ける可能性が高いですが、計算が苦手であればデータベースをお勧めします。
- 経営戦略
- 組込みシステム開発
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- (補欠枠)システムアーキテクチャ
- (補欠枠)データベース
理系におすすめの問題
文章題よりも、知識問題や計算問題を好む人は以下がおすすめです。
補欠枠からは、自分が得意なものを選んで対策しましょう。
- プログラミング
- システムアーキテクチャ
- 組込みシステム開発
- データベース
- (補欠枠)ネットワーク
- (補欠枠)情報システム開発
まとめ
午前は過去問を高正答率で回答できるようにしておこう。
午後の選択問題は自分が解けそうなものを5題ピックアップしてしっかり対策しよう。